第1章:レコードと僕のリスタート
2025年、Roundishはもう一度レコードと向き合うことにした。
あれから何年経っただろう。
「どこでどう間違えたんだっけ?」って、まるで使い込んだ針が同じ溝でひっかかってるみたいに、悶々とした日々を過ごしてきた。
でも最近、ようやくスピーカーから小さく音が鳴り始めたような気がする。
ぼんやりとだけど、レコードショップとしての道筋が見えてきたのだ。
ちょうどクラブの階段の上から漏れ出るざわめきのように。
で、帰ってきたのは西宮。僕の生まれ育った街。
20歳の頃と違うのは、一人じゃなくて家族がいること。
そして、あの頃は怖いもの知らずで「レコードさえあれば食える」と信じてたけど、現実は甘くない。
いろんなことにぶつかって、転んで、ちょっとすり傷どころじゃない怪我もして。
気づけば“失敗のコレクション”は棚いっぱいに並んでる。
けどまあ、それも全部経験だと思うことにした。
今度のリスタートは、前みたいに八双飛びで壁をすり抜けようとするんじゃなくて、目の前の障害を「おっ、これはまた面白いサンプルネタが手に入ったな」くらいに楽しみながら進もうと思う。
それに、レコードってそもそもトラブル込みで面白い。
針が飛んだり、ジャケットに謎の落書きがあったり。
完璧じゃないからこそ、愛せる。
だからこのRoundishも、そんな“ちょっと不完全で、でもやけに愛おしい場所”にできたら最高だ。
僕らが見つけてきたレコードを「これ、いいでしょ?」って差し出して、誰かが「うわ、懐かしい!」って笑ってくれたら、それで十分。
そんな気持ちで、Roundishは再始動する。